なぜ英語が話せない?

なぜ英語が話せない?

暗記偏重の学校教育の影響は言うまでもなく、その他の原因について考えてみたいと思います。

英会話スクールでペラペラになる?

巷にはたくさんの英会話スクールがあり、足繁く通う方も多いと思います。私も数校通った経験があります。

英会話スクールにもいろいろあるので、それをひとまとめで考えるのは乱暴かもしれません。ですが、残念なことに、英会話スクールに通って英語がペラペラになったとか、英語力が格段に伸びたという話はあまり聞いたことがありません。大抵の人が、通う前に期待していた程の成果が出ていないのではないでしょうか。

英会話スクールを否定したいのではありません。それぞれのスクールで独自のメソッドがあって、ちゃんと努力すれば相応の成果が得られると思います。ただ、“期待しているほど”ではないと思います。それは自分の経験からも言えることです。(本人の努力次第ですよね...(笑))

英会話スクールに通うといっても、普通、週に何回かの、1時間程度のレッスンだと思います。ましてグループレッスンともなると、「話せる」時間は非常に限られてしまいます。まず、スクールのレッスン時間だけでは全然足りないということがあげられると思います。

英会話スクールは、「表現力」を学ぶ場所としてはいいと思います。ある特定の場面で、こんなニュアンスを伝えたいのだけど、どういう風に言ったらいいのか、そういったことをネイティブに質問し、いろんな言い回しを教わることができます。ですが、これは「表現力」の問題であって、ELMラボの提唱する「発話力」ではありません。

「表現力」とは、場面に応じて、適切な表現(言い回しや適切な単語の選択)ができるかどうか。「発話力」とは、単純に、言いたいことをすばやく英語の語順どおりに口に出せるかどうかを指します。英会話スクールではこのトレーニングはしてくれません。「発話力」のトレーニングは徹底した繰り返し練習です。これは自宅でできることです。英語を学ぶうえで(特にスピーキング)、発話力をトレーニングするという発想はとても大切だと思います。文法として頭で理解はしていても、それをすぐに言葉にできるかは別の問題です。これにはひたすらトレーニングが必要なのです。

このトレーニングは、スポーツでいうところの基礎トレーニングです。野球やテニスで言えば、いわゆる素振りです。スポーツでは、基本となる型を徹底的にトレーニングします。基本が出来るようになってこそ、応用力へと発展できます。


文法が邪魔をする

日本語で英文法を詳しく学べば学ぶほどこの弊害が発生すると思われます。英語で発想するのではなく、いつも文法的な発想が先に来てしまうのです。

例えば、「〜している」という進行形、文法の知識がある人は、すぐに「be動詞+-ing」を思い浮かべます。そして、主語に合うbe動詞を選んで、一般動詞に-ingをくっつけて、文を完成させようとするはずです。

では、進行形で用いるbe動詞は、他のときに使われるbe動詞と違うのでしょうか?以下の3つの例を見てください。

I am a student.
I am tall.
I am running.

それぞれ、①私は学生だ。②私は背が高い。③私は走っています。という文です。わざと単語の間を離して表記していますが、文法の知識のある方は、このようにイメージされると思います。ですが、3文とも、I am〜で始まっている点で共通しています。その視点でとらえ直すとこうなります。

I  am a student.
I  am tall.
I  am running.

I am は、「私は〜である」「私は〜の存在だ」という意味で、I amの後には、名前や様子(状態)をあらわす言葉がきます。それぞれ、私は=学生、私=背が高い、私=(今)走っている、という関係が成り立ちます。この考え方からすれば、「I am」 と言ってしまってから、名前を言うのか、自分の特徴を言うのか、様子(状態)を言うのか、その部分を変えればいいわけです。この発想の方が、口に出しやすく、応用が効きそうではありませんか!?

〔 I am 〕は3つの例すべて同じ意味のはずです。しかし、進行形=「be動詞+一般動詞のing」というように、これをひとかたまりで覚えているので、そのせいで、進行形に使われるbe動詞は、上の2つとは違うbe動詞のように錯覚していませんか?私はそうでした。この錯覚が、英語を話す際の障害となるのです。

この考え方は、また別のページで詳しくご紹介しますが、中嶋太一郎という方の著作から学びました。

文法的な解釈が、必ずしも口語的な感覚と一致していないということ。つまり、文法に詳しければ詳しいほど、そのズレの影響を受ける可能性が高くなるということです。

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