ELM英語学習教材研究所

句と節


【語・句・節】

語というのは、文字通り、単語1語1語のことを言います。例えば、car, cloud, move, kitchenなどなどです。

2つ以上の語が集まりひとつの意味のかたまりを成し、1つの品詞のような働きをするものを句といいます。例えば、the car in the garage「車庫の中の車」と言うとき、in the garageの部分は「車庫の中の」というひとつの『句』であり、the carを修飾する形容詞の働きをしています(形容詞句という)。これが、The car is in the garage.「車は車庫の中にあります。」となると、in the garageの部分はisを修飾する副詞句(動詞を修飾しているので)となります。
『句』の概念は、英文法上では厳密な定義があるようですが、「2語以上の単語の集まりでひとつの意味のかたまりを成す」という点では、a new car, very beautiful、very slowlyなども、それぞれ、「新しい車」(名詞としてのかたまり)、「とても美しい」(形容詞としてのかたまり)、「とてもゆっくり」(副詞としてのかたまり)など、ひとつの意味のかたまりという意味で、句ととらえた方が分かりやすくなります。その意味では、the car in the garageという全体は「車庫の中の車」という名詞句(名詞としてのかたまり)です。

そして、意味のひとかたまりの中に主語と述語動詞の関係(S+V)があって、その部分が文として独立していないもの(あくまで文の一部)を節といいます。I know that he is honest.「私は彼が正直であることを知っています。」のthat he is honestの部分がhe isというSVを含んだ節であり、文の中で、「彼が正直であること」という名詞の役割をしているので、名詞節となります。この文の主語と述語動詞はI knowの部分です。

語・句・節、とりわけ、句と節をなぜ学ぶ必要があるのかというと、それらが意味のひとかたまりを作っているからであり、意味のかたまりが見抜けないと英語が理解できません。句と節はそれぞれ意味のかたまりを形成し、文の中で、名詞・形容詞・副詞の働きをします(*)。以下、個別に見て行きましょう。(*:2語以上でひとつの意味のかたまりを成す『句動詞』というのもあります)


【句】

まずは句のパターン(かたち)から知っておきましょう。

英語では基本的に5つの句のパターン(型)があるといえます。

《句の5つのパターン》

《解説》
1 to do句(to 不定詞句) to doで始まる句
2 doing句(−ing句) doingで始まる句
3 done句(−ed句) doneで始まる句
4 wh-句(wh-/how to do句) 疑問詞+to不定詞で始まる句
5 前置詞句 前置詞で始まる句

まず、1〜3について、日本語で考えてみます。
例えば、「教える」という動詞。「彼は英語を教える。」と言うとき、「教える」という単語は動詞として用いています。次に、「教えることは難しい。」と言うとき、「教える」という動詞に「こと」をくっつけて、「教えること」という様に名詞化しました。我々は日本語の中で、もともと動詞であったものを、名詞の形にしたりして、品詞を変えて用いたりします。

to do, doing, doneという、動詞の変化もちょうどそのようなものです。もとの形は動詞の「do」です。doという動詞が、「to do」「doing」「done」というように形を変えます。そして、文の中で、名詞・形容詞・副詞として用いられます。

to doの形はいわゆる「不定詞」ですが、不定詞には名詞的・形容詞的・副詞的用法がありますが、その「名詞的・形容詞的・副詞的用法」というのが、to do のフレーズが名詞として、それとも形容詞として、もしくは副詞として用いられているという意味なのです。

では、doing, doneの場合は?と思われるでしょう。そんなものは学校では教わっていないと思われるかもしれませんが、実は「違う名前」で出ています。それを表にしてみます。


No. 名詞的用法 形容詞的用法 副詞的用法
1 to do 不定詞の
名詞的用法
不定詞の
形容詞的用法
不定詞の
副詞的用法
2 doing (-ing) 動名詞 現在分詞 分詞構文
3 done (-ed) × 過去分詞 分詞構文

doingの名詞的用法は「動名詞」で、形容詞的用法は「現在分詞」で、副詞的用法は「分詞構文」で教わります。それぞれ名前がまったく違うので、なにか全く異質のものを習っている気にさせられるのですが、要は、doingの形が、名詞的に、形容詞的に、あるいは副詞的に用いられているかの違いなのです。

done(-ed形)の場合、文法上、名詞的用法はないものとされています。形容詞的用法は「過去分詞」で、副詞的用法が「分詞構文」の-ed形で始まるフレーズです。

動詞の原形(do)が、to do, doing, doneと形を変え、名詞的・形容詞的・副詞的に用いられることが分かりました。ここであらためて、前回のページで解説した品詞の理解が大切なことが分かります。名詞、形容詞、副詞の働きが分からいないと、この分類自体あまり意味がありません。ですが、逆に言えば、「名詞的」「形容詞的」「副詞的」がよく理解できていれば、あとは形が違うだけだということです。

では、今度は、to do, doing, doneの違いは何でしょうか。表で示します。


No. 《意味合い》
1 to do 未来的
2 doing (-ing) 進行的能動的
3 done (-ed) 過去的受動的

まず、3つの形の違いを、上の表のように大ざっぱに理解しておきます。これは絶対ではありませんが、それぞれの形には基本的に表のような意味合いがあります。

teach(教える)を例にとると、

No. 《意味合い》
1 to teach (これから)教える
2 teaching 教えている(進行中)
3 taught 教えた・教えられた

各フレーズに表のような意味合いがあります。
次に、それぞれの形が名詞・形容詞・副詞的に用いられた場合の例を示します。

また、補足しておくと、それぞれのフレーズに意味上の主語を加える場合、その方法は次のようになります。

No. 主語の表し方
1 for him to teach for+人(名詞の目的格)
2 his teaching 名詞の所有格(目的格)
《特に口語では目的格を用いて、
him teachingと言われることが最近
では多いようです》
3 taught by him by+人(名詞の目的格)
by〜 「〜によって」と訳されますが、
その動作の主語はby himの部分です

次にwh-句です。
wh-句は不定詞に疑問詞を加えたもので、文中で名詞的な働きをし、普通、「〜したらよいか」「〜すべきか」と訳されます。teachを例にとると、

what to teach 何を教えたらよいか (何を教えるべきか)
where to teach どこで教えたらよいか (どこで教えるべきか)
when to teach いつ教えたらよいか (いつ教えるべきか)
who to teach 誰が教えたらよいか (誰が教えるべきか)
which to teach どれを教えたらよいか (どれを教えるべきか)
how to teach どのように教えたらよいか (どう教えるべきか)

などのようになります。これらのフレーズが文中で名詞の役割をします。

I don't knowwhat to teach. 私は何を教えたらよいか分からない。
The question iswhere to teach. 問題はどこで教えたらよいかだ。
I told himhow to teach. 私は彼にどう教えたらよいかを話した。

次に、前置詞句です。
前置詞句は前置詞で始まるひとかたまりのフレーズです。(前置詞の後にはふつう名詞が来ます《例外もあります》。これを前置詞の目的語といいます。)前置詞句とは例えば、in the living room, at the station, on the street, などなどです。前置詞句は基本的に、形容詞的、または副詞的な働きをします。

The car in the garage is mine. 車庫の中の車は私のものだ。
The car isin the garage. 車は車庫の中にある。

the car in the garage のin the garageは、名詞the carを修飾する形容詞句です(車庫の中の車)。一方でThe car is in the garageのin the garageは、isという動詞を修飾する副詞句となります。

前置詞句は、教育文法では形容詞的・副詞的役割をするものと教わりますが、名詞的に用いられることもあるようです(参照: 『前置詞マスター教本』 石井隆之著 《ベレ出版》)。

Under the desk is the best place. 机の下が最善の場所だ。
He took it out fromunder the desk. 彼はそれを机の下から取り出した。
                           『前置詞マスター教本』より引用

以上を整理すると、句には基本的に5つのパターンがあり、そのそれぞれのパターンが文の中で名詞的・形容詞的・副詞的な働きをするということ。そのような視点(各フレーズが名詞・形容詞・副詞として働くという)から学ぶと、英文法も随分と整理できます。教育文法の難しい名称に混乱させられるのでなく、各フレーズの働きが、名詞的か、形容詞的か、副詞的かというようにとらえるようにしましょう。

【節】

節の場合も、同様に、名詞的・形容詞的・副詞的という視点で整理できます。


節を導く単語 単元
名詞節を導く that, if, whether
who, whose, whom, what, which,
when, where, why, how...
名詞節を導く従属接続詞
間接疑問文
(what:関係代名詞)
形容詞節を導く who, which, that, whose, whom,
what...
when, where, why...
関係代名詞
関係副詞
副詞節を導く when, while, as, till, until, before,
after, as soon as, since, because,
if, unless, in case, though, that...
副詞節を導く従属接続詞

すべての用法に用いられるthat を例にしてみると、

名詞節 I knowthat he is a teacher. 私は彼が教師であることを知
っている。《that 以降は動詞
knowの目的語となる名詞節》
形容詞節 This is the moviethat I like the
best
.
これが私の一番好きな映画
だ。
《that以降は名詞movieを修飾
する形容詞節》
副詞節 I am gladthat you like it. あなたがそれを気に入ってくれ
て嬉しい。《that以降は形容詞
gladを修飾する副詞節》

と、以上のように、それぞれ文中で名詞・形容詞・副詞の働きをしていることが分かります。単元の名前に惑わされずに、名詞の役割か、形容詞の役割か、副詞の役割か、という視点でとらえることが大切です。

参考に、その他の例文を示しておきます。

名詞節 That she is an actress is a lie. 彼女が女優というのはうそ
だ。
I thinkthat he is honest. 私は彼は正直だと思う。
I don't knowif it is true. 私はそれが本当かどうか知ら
ない。
He told methat he had no time. 彼は私に時間がないと言っ
た。
She knowswho he is. 彼女は彼が誰であるか知っ
ている。
I will tell himwhen she comes. 私は彼に彼女がいつ来るか
言うつもりだ。
I told himwhat she said. 私は彼女が言ったことを彼に
話した。
形容詞節 He has a sonwho works for a trading
company
.
彼には貿易会社で働く息子
がいる。
The bookwhich he read last night is
expensive.
彼が昨晩読んだ本は高価
だ。
He lost the CDthat he bought
yesterday
.
彼は昨日買ったCDを失くし
た。
This is the placewhere we met first
time
.
ここが私たちが初めて会った
場所だ。
There are some reasonswhy she can't
come to the party
.
彼女がパーティーに来れない
いくつかの理由がある。
I remember the daywhen she was born. 私は彼女が生まれた日を覚
えている。
副詞節 He was watching TV when I came home. 私が家に戻ったとき、彼はテ
レビを見ていた。
While I was in NY, I visited some
museums.
ニューヨークにいる間、私は
博物館をいくつか訪れた。
Wash your hands before you have
meals
.
食事をする前に手を洗いなさ
い。
I eat chocolate every daybecause I like
it
.
私はチョコレートを毎日食べ
る。なぜならそれが好きだか
らだ。
If it rains, I'll stay home tomorrow. 雨が降れば、明日は家にい
るつもりだ。
I am happythat you came to see me. 私に会いにきてくれて嬉し
い。

以上のように、句・節のそれぞれの形を知り、それらの働きを名詞・形容詞・副詞で整理してみるととても分かりやすくなります。

Head Prev Next Tail